建設業を営む企業様の決算書には、他の業界では見られない特徴的な勘定科目が並んでいます。完成工事未収入金や未成工事支出金、工事未払金、未成工事受入金がそれに該当します。完成工事未収入金は他業種でいうところの売掛金です。同様に未成工事支出金は仕掛品、工事未払金は買掛金、未成工事支出金は前受金となります。
建設業会計では、現場にかかった材料や外注、現場作業員の給与などの費用は未成工事支出金(貸借対照表科目)に計上され、(工事完成基準の場合)工事の完成引き渡しのタイミングで、材料費や外注費、賃金などといった損益科目に振り替えられます。つまり、工事が完成するまでは損益計算書は1円も動かないことになるのです。
この完成時に受ける振替処理を適正に行うためには、現場別工事台帳をつけておかねばなりません。しかしながら多くの企業において、会計システムと現場管理のシステムを別々に運用している非効率が見受けられるのです。また、工期が1年を超える現場も少なくなく、長期にわたって予算の消化状況を確認し、今後の経費発生予測を立てていかなければ期待していた工事利益の確保はおぼつかないでしょう。
弊所が導入をお勧めするのは原価管理システムとFX4クラウドのパッケージです。
過去の見積から複写が可能で、受注登録や予算登録、注文書の作成まで連動して行えます。
本社と現場で相互に入力管理していきます。
具体的には、本社サイドは仕入や外注などの請求書を各現場別に振り分け入力を行い、現場サイドは日報の入力を通じて現場で生じた経費を登録していきます。現場ごとの総工事費用や予算の消化状況がわかるので、現場作業員の原価意識向上につながります。
勤怠状況を位置情報とともにスマートフォンで打刻できるので、出面管理の省力化にもつながります。
現場別台帳で進捗割合が見えるので、出来高請求も簡単に行えます。もちろんシステムから請求書を打ち出すことも、請求残を確認することも可能です。
FX4クラウドと相互に連動させることが可能ですので、同じデータを台帳と会計とで2度打ちする必要は全くありません。
個別受注型の製造業、測量、設計事務所、ソフトウェア開発業、ビルメンテナンス業など案件ごとの原価計算を導入したい企業様であれば運用は可能です。